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2018年6月24日日曜日

ドクターカー事業についてのお話

当センターのドクターカーは2016年4月に運行を開始し、間もなく3年になろうとしています。

対象地域:原則として埼玉県中央地域メディカルコントロール協議会の地域
車両型式:ラピッドカータイプ(日産 X-TRAIL)
運用時間:全日24時間
搭乗人員:医師1-2名、看護師1名、ドライバー1名、ナビゲーター1名の最大5人

要請基準はキーワード方式(胸背部痛、呼吸苦、重症外傷etc)
昨年度は実に2000件を超える要請に対応しております。

2016年4月1日〜2017年11月30日の20ヶ月の活動報告では、STEMI(KillipⅠ)、目撃のある心停止、重症外傷において、それぞれDoor to Balloon timeの短縮、社会復帰率、Unexpected Survivorにおいて、統計学的有意差を持って改善を示しています。

これ程の活動件数、予後改善効果を示すことができたのも、我々医療スタッフだけではなく、近隣の各消防や地域住民の方々のご理解とご協力があってこそだと思います。
今後も安全な活動を心がけ、さいたま市、中央地域の医療に貢献していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

さてさて、これ程の病院前診療を行っている、ドクターカードクターですが、当然、正クルーになるためには厳しい条件があります。

①指導医との30回以上の同乗実習
②同乗一覧をもとにした最終面接
③地理講習及び試験(地理講習2時間以上、地理にかかる諮問試験80点以上)
④安全講習(危険区域活動の理解、シミュレーション)
⑤特定指導医による図上シミュレーション2回
⑥各教育コースの受講(JPTEC ICLS BLS JATEC MCLS)
⑦12ヶ月以上の救命センターでの実務経験
⑧最終実地試験

この条件をクリアして初めてドクターカースタッフとしてひとり立ちとなります。
厳しい条件ですが、さいたま市の病院前医療を担うのですから、是非、専攻医の先生方にはクリアしていただきたいですね!

下の写真は正クルーの人見Drによるさいたま日赤周辺の主要道路、交差点の説明図(MC内、MC外)です。
何も見ずに周辺の地理状況(立体交差点や中央分離帯でドッキング困難なポイント)を道路、交差点と絡めて専攻医に説明していきます!







2018年6月21日木曜日

いつもの1日

救急外来の一コマです。
三次救急は比較的ゆったりしているときもありますが、こればかりは全く予想はできません。
午前中に早めに昼食を取ろうかなどと言っていると
2件の転院搬送と1件の収容依頼が同時に来ると。しかも全てショック状態。
こんな時は一気にごった返す救急外来です。
このスイッチのOnOffがあるのも救急の醍醐味でしょうか。。

患者を待ち構える研修医と専攻医達・・・
3チームに分けて患者対応、適切な初期蘇生を行っていきます。

迅速に気管挿管、CVline、Alineをなどを確保し、適切な輸液負荷、sourse controlに加えてすばやく抗生剤投与を開始します。敗血症戦略の基本です!
写真は早川Drが専攻医に気管挿管(Rapid Sequence Intubation)を指導しています。
B、Cの異常のある患者に対する緊急の気管挿管を、薬剤の選択から挿管時の注意点等を説明しながら確実にRSIを決めていきます!

初期蘇生で安定化を得た後は、ICUへ引き継ぎ。
本日当直の救急3年目関川Drが上級医とともに集中治療管理を継続して行っていきます。
ICUもいつも通り忙しそうです。

終わってみればいつもどおりの1日でした。




2018年6月15日金曜日

救急ワークステーション企画研修 第2弾

救急ワークステーション企画研修として4月から始動している教育企画。
4月に第一弾として行った「多数傷病者発生時の対応の在り方」に続く第二段です。

当院講堂にて早川Drから「救急活動で役立つ意識障害の知識」の講義が行われました。
さいたま中央地域メディカルコントロール協議会内消防機関、及び近隣15消防機関に向けて行われ、
11日14日の2日で実に466名もの方が受講されました。

意識障害とは何か、限られた時間内での問診から鑑別疾患を上げ、迅速かつ適切な搬送先の選定に繋げる・・・
早川Drによる2時間に及ぶ熱い講義が行われました。

さいたま市及びその近隣消防への教育、知識の底上げを行い、救命率の向上を目指す。
これも当センターの責務であると考えています。


受講された消防の方々。お疲れ様でした。





2018年6月14日木曜日

6月17日 レジナビ 専攻医 @東京ビックサイト

本日は少し宣伝を・・・

6/17(日)に東京ビックサイトのレジナビフェアに今年も出展させていただきます。
病院前診療、重症外傷診療、内科的重症疾患、中毒と幅広い疾患を初寮-ICU管理まで一貫して学べるのは後期研修医にとって大きな魅力ではないでしょうか?

レジナビフェアに参加される方、ぜひ当院のブースに足を運んでください!
素敵なポスターとパンフレットを準備してお待ちしています^^

なお今回は救急科だけではなく内科、外科、産婦人科、麻酔科の先生方も来ますので、直接話を聞く機会があります。
救急だけでなく、他科の研修についての興味がある方も是非お越しください。


2018年6月13日水曜日

外科的気管切開

あっという間に新年度となりました。
さいたま赤十字病院高度救命センターは新たに4名の専攻医、1名のスタッフを迎え、総勢26名のメンバーとなりました。

一昨年から始まったドクターカーも昨年度は実に2000件を超える要請をいただいておりプレホスピタルから始まり、初療での蘇生と安定化、その後の集中治療管理までを一貫してシームレスに行うことができるのが当センターの強みです。

今年度もこの勢いのままに、スタッフ一丸となってさいたま市と中央地域のの医療に貢献していきたいと思います!


写真は
専攻医の古谷Drが外科専門医の川浦Dr指導の元で外科的気管切開を行っております。

最近は経皮的気管切開が多くの施設でも行われ、主流になりつつありますがが、
当センターでは頸部解剖の習熟、気道緊急時の外科的アプローチの確認の目的も兼ねて
 専攻医にはまず最低でもオペレーターとして10例、助手として5〜10例の外科的気管切開を経験してもらい、
その後経皮的気管切開の選択も持ってもらう方針としています。

川浦Drの優しい(?)指導の元、着々と経験を積んでいく古谷Drです。


2018年3月23日金曜日

人工呼吸器の本 エッセンス (The Ventilator Book)


MEDSi「人工呼吸器の本 エッセンス(The Ventilator Book)William  Owens」田中竜馬 訳
田中竜馬先生より贈呈いただきました。

確かに人工呼吸器の本は分厚くて、数式が出てきて、忙しいICUのお供には向いていません。自宅でデスクに向かって集中して読む必要があります。
この本、The Ventilator Bookは1つのChapterが10分ぐらいで読めてしまうので、ちょっとした合間に見ることができます。
通常わかりやすくシンンプルに書こうとすると、本質がぼやけて抜けてしまうことが多いのですが、ここはそれもクリアしています。
特にChapter4の格言集は、人工呼吸器を扱うすべての医師が心得ておく事項だと思います。
田中先生の訳も読みやすく、すんなりと読めてしまいます。
同じく本を書くものとして、ここまでの良書を書かれてしまうと、嫉妬すら覚えます。

まずは羊土社から出ている田中先生の呼吸の本を読んで入門とし、その後に臨床で人工呼吸器と患者さんに対峙する。人工呼吸器ってなんだか難しいな‥って思いはじめたあたりで
、この本を手に取ってみると次のfieldがひらけてくるのではないでしょうか。

贈呈されたからとかではなく、ほんとにほんとに心からお勧めできる1冊です。
(いや、自分だけで独占して文中の格言などを回診の時にさらっと話して自慢したいというのが本心かも‥)

http://amzn.asia/7pd5pPI


2018年3月14日水曜日

ASSETコース(Advanced Surgical Skills for Exposure in Trauma)を受講してきました

勅使河原です。
 2018年3月11日、千葉大学で行われたASSETコース(Advanced Surgical Skills for Exposure in Trauma)を受講してきました(勅使河原・三田看護師ペア)。このコースは日本では2年前から開始された、ご献体を使わせていただいての手術研修です。
 そもそも、なぜこのコースに参加したのかというと、H29年度外傷外科医養成研修事業に応募し受講できることになったからです。外傷外科医養成研修事業とは、厚生労働省の事業で本年度は日本外科学会に受託しているもので、近年の国際テロ全盛時代において日本でのテロ災害発生の可能性を鑑み、さらに2020年の東京オリンピック・パラリンピックを見据えた救急医療体制の整備の一つとして、企画されたものです。
 目的は、①外傷外科に精通した外科医・看護師を育成すること②爆発物等のテロ災害に備え、爆傷・銃創・切 創などの重篤な外傷に対応可能な外科医・看護師を育成すること③爆発物等のテロ災害によって発生した多数傷病者を受け入れるための院内体制の構築を促す、ことです。
 1日の座学(爆傷や銃創等についての研修会)と、off-the-job training(ASSETかSSTT)が組み合わせて受講することが必要となります。興味深いところは、必ず医師1名と看護師1名がペアで申し込みをすることだと思います。その意味合いは、恐らく有事の際にはペアで招集をかけ、駆け付け、働くということだと思います。現に、受講者の募集要項に、オリンピック・パラリンピックやサミットなどの国際的なイベント時の外傷外科医の招集に積極的に対応できること、という事項が入っています。
 ASSETについて話を戻しますが、もともとはUSAでの外傷トレーニングコースです。さすが、というかやはりというか、ASSETコース内の症例は殆どが銃創例でした。
このコースは『血管の露出』が主眼になっており、基本的な想定が鋭的外傷となります。
わ が国では鋭的外傷が圧倒的に少なく、昨年の当科が対応した外傷患者は919人、その内鋭的外傷は40人、割合にして4.3%でした。ですから、日本の外傷外科医は鋭的外傷の経験が少なく、特に四肢血管損傷の経験が不足しているように思います。そこでASSETの出番となるわけですが、このコースの1番の特徴である四肢血管の解剖学的知識と経験が重要となってきます。
 鎖骨下動脈・腋窩動脈・上腕動脈・橈尺骨動脈・総大腿動脈・深大腿動脈・浅大腿etc・・・様々な血管の露出およびproximal and distal controlを、実際のご献体で学ばせていただくという非常に稀有な経験をさせていただきました。
 とても勉強になったことは当然ですが、今後の外傷診療への自信にも繋がりました。皆様、機会があればぜひ受講されることをお勧めします。
 当院は東京オリンピックの会場の1つである、さいたまスーパーアリーナに隣接しており、病院としても勿論テロ災害等に対しての準備を進めています。当科でも以前よりMCLSコースの受講や防災策定への関わりなど、災害への対応準備を進めてします。今回の受講もその1つであります。勿論、テロ災害など起こらないに越したことはありません。
ただ、もし起きてしまった時に、それまでどれだけの準備をし、どれだけ被害を食 い止められるか、が問われることは間違いありません。そのために、各個人・各組織・各地域、そして各国が、準備を進めていかなければならないと思います。
 奇しくも、3月11日は東日本大震災から丸7年。災害について強く考えさせられた日でした。皆様は、どのような1日だったのでしょうか。